小ぶりの秋刀魚の丸干し。
見た瞬間に、骨までいける確信が湧く。
しかし、メヒカリやししゃもほどの小型魚ではない。このサイズこそ、骨が口に残るとつらい。かと言って避けて食べるのも面倒な小骨たち。
ここは骨を確実に征服することを最優先したい。
であれば、背鰭から一本切り込みを入れることだろう。
丸干しなのでワタは取られていない。
秋刀魚のワタは旨い。
ただ、メヒカリやししゃもクラスでも揚げ油の中でワタが破裂することがある。このサイズの秋刀魚の破裂は見たくない。
頭と共に落とす選択。
今回のテーマは骨に集中する。
衣は片栗粉2に対して米粉1。
切れ込み部分にもしっかりまぶす。
170度で2分。
見た目の香ばしさの追加と、ダメ押しの骨処理のため、180度で1分の二度揚げとした。
結果
骨は存在すら感じさせない。
身と一体化している。
丸干しからの二度揚げ。さすがに身にふっくら感は残らない。
ジューシーではない。
一緒に揚げたメヒカリのジューシーさが際立つ。
しかし、秋刀魚丸干しの魅力は違うところにある。
圧倒的な味の濃さだ。
わずかに残る内臓の苦味がそれを引き立てる。
これは手で持ってバリバリ喰らうものではなかった。
切って分けて、少しずつ箸でつまむ。
もちろん酒は必須だ。
そういう「料理」なのだろう。
内臓と揚げ
魚の唐揚げの隠れた難所は、内臓の破裂かもしれない。
卵巣はわかりやすく破裂する。
ししゃもの唐揚げをあまり見かけない理由の一つかもしれない。
卵巣以外にも、もちろん破裂するリスクはある。
要は密閉された空間に水分が残っていれば、水蒸気となって膨張し破裂する。
単純な原理のようだ。
浮袋の大きい魚は要注意らしい。
秋刀魚も残念ながら破裂リスクの高い魚である。
立派な内臓が付いている。
丸干しでもリスクがあるのは、ししゃもと同じだ。
針で穴を開けるなどの対策もあるようだ。
今回は潔く除去しているが、あえて取り切らずに切れ目を入れたものも揚げている。
問題なく揚げられた。
何せ、そこも旨いのだ。