中国料理に「糖醋鯉魚(タンツーリーユー)」という魚料理がある。
鯉を丸ごと揚げ、甘酢の餡をかけた一皿だ。
まず目を引くのはその見た目である。
細かく入れられた切れ込みによって、揚げ上がった魚の身は大きく開き、
頭と尾を立てた姿は、まるで魚が飛び跳ねているかのような形になる。
この躍動感のある仕上がりは、
いかにも中華の宴席料理らしい演出と言える。
糖醋鯉魚とは何か
糖醋鯉魚は、中国・山東料理の代表的な魚料理のひとつである。
調理の流れはシンプルだが特徴的だ。
- 鯉を頭・尾付きで丸ごと使用
- 鱗と内臓を除去
- 身に細かい切れ込み(改刀)を入れる
- 粉衣をつけて油で揚げる
- 最後に甘酢の餡をかける
魚は切り身ではなく、形を保ったまま調理される。
この点がまず大きな特徴になる。
日本で食べられるか
実際に日本でこの料理を食べようとすると、やや難しい。
グルメサイト 食べログ で検索すると、
「糖醋鯉魚」での該当は7件程度にとどまる。
提供している店舗が極めて少ないことからも、
現在の日本では一般的な中華料理とは言い難い
料理である。
宴席料理としての位置づけ
糖醋鯉魚は、日常食というよりも宴席向けの料理である。
- 丸ごと一尾で提供される
- 見た目の華やかさを重視する
- 円卓の中央に置かれる
といった特徴を持つ。
魚を丸ごと使うこと自体にも意味があり、
中国では魚は「余(余裕・豊かさ)」と通じる縁起物とされる。
そのため、
- 頭と尾を残す
- 形を崩さない
といった要素も重視される。
甘酢餡という味付け
糖醋という言葉の通り、
- 砂糖(甘味)
- 酢(酸味)
を組み合わせた味付けが使われる。
揚げた魚に対して、後から熱い餡をかけることで、
- 外側のカリッとした食感
- 甘酸っぱい味付け
が同時に成立する。
この甘酢餡は魚料理に限らず広く使われており、
中国料理の中でも定番の調味の一つである。
切れ込み(改刀)の役割
この料理で最も特徴的なのが、調理前に入れる切れ込みである。
一次情報から確認できる事実として、
- 魚体の両側に一定間隔で切り込みを入れる
- 切り込みは骨に達する深さまで入る
とされている。
この結果、
- 揚げた際に身が大きく開く
- 表面積が増える
- 見た目に動きが出る
といった効果が生まれる。
先に触れた「跳ねるような姿」は、
この改刀によって作られている。
骨はどう扱われているか
ここが今回の論点になる。
一次情報から確認できる範囲では、
- 骨を除去する工程は存在しない
- 骨格はそのまま残した状態で調理される
- 丸ごと揚げて提供される
つまり、
骨付きのまま完成する料理である
ことは明確である。
一方で、
- 食事シーンに関する記述
- 骨を食べているかどうかの明示
は確認できない。
したがって、
骨を食べるか避けるかについては資料上「不明」
となる。
ただし、料理として骨が残っている以上、
食べる際には骨の存在を前提にする必要がある。
サカナカラとして見ると
糖醋鯉魚は、魚の唐揚げの中でも少し特殊な位置にある。
- 骨は除去しない
- しかし丸ごと揚げる
- 身は細かく分かれやすい状態になる
つまり、
骨を残したまま、食べる部分を取りやすくしている。
構造を持つ。
小魚の唐揚げのように「骨ごと食べる」わけでもなく、
フィレのように「骨を排除する」わけでもない。
給仕がこれを見事に取り分けるのだろうか?そのシーンを見てみたい。