サカナカラ | For Fried Fish Fans

唐揚げとは何か

「唐揚げ」と聞くと、

多くの人は鶏の唐揚げを思い浮かべる。

しかし料理法としては粉をまぶして揚げる料理。

そう説明されることも多いが、

実際の唐揚げはそれだけではない。

そもそも唐揚げとは

何なのだろうか。

唐揚げの語源

唐揚げの語源については、三省堂のコラムが秀逸なのでそちらを一読いただきたい。

https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/kanji_genzai022

から揚げはそもそも空揚げという説。

空とは即ち何も付けない状態を意味する。

つまり本来の唐揚げは

素材をそのまま油で揚げる料理

だったと考えられるという。

この意味で言えば、

粉を使わない揚げ物、つまり素揚げこそが

唐揚げとなる。

しかし現代の料理では

多くの場合、唐揚げには

片栗粉

小麦粉

などの粉が使われている。

それには理由がある。

粉の役割

揚げ物で最も重要なのは

水分の扱いである。

油の中では

食材の水分が蒸発し、

蒸気として外へ出ていく。

粉をまぶすと

表面に薄い層ができる。

この層は揚げることで

細かな空洞を持つ外皮になり、

・表面の水分を調整する

・カリッとした食感を作る

・油の吸収を抑える

といった働きを持つ。

つまり粉は

厚い衣というより

表面を整える処理

ということになる。

天ぷらとの違い

ここで

天ぷらとの違いが見えてくる。

天ぷらでは

小麦粉

を混ぜた

バッター液(液体衣)

を使う。

この衣は揚げると

多孔質の殻を作る。

殻の内部では

水蒸気が循環し、

食材は

蒸しながら揚げられる

状態になる。

一方、唐揚げでは

厚い衣は作られない。

食材の表面が

直接油に触れ、

水分が外へ逃げながら

揚げられる。

天ぷらは蒸し料理。厚ごろもなら、衣を食べる料理でもある。

唐揚げは水分を飛ばす、焼きに近い料理。衣のパリ感はあれど、素材を野趣溢れて喰らう料理。

となるのだが、

唐揚げは粉だけではない

現代の唐揚げを

粉の料理

と決めつけるのは

少し狭い理解かもしれない。

実際の唐揚げには

・素揚げ

・粉をまぶす

・卵を使う

・二度揚げ

など様々な方法が許容されている。

つまり唐揚げとは

特定の材料ではなく

揚げ方の考え方

に近い。

それは

素材を直接揚げる揚げ物

である。

魚の唐揚げ

この特徴は

魚料理で特に意味を持つ。

魚は

水分が多い

身が崩れやすい

骨がある

という食材である。

そのため

天ぷら

フライ

のように衣で包む料理もあれば、

アジの唐揚げ

メヒカリ

ワカサギ

川魚

のように

魚そのものを揚げる

料理もある。

この広い世界をここでは

サカナカラ

と呼ばせていただきたい。

まとめ

唐揚げとは何か。

それは

単に粉をまぶした揚げ物ではない。

素材を直接油で揚げる

一つの調理思想である。

サカナカラの世界は

まだ広い。

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